機能不全

何をしたら良いかわからない自分に向けて

鮭のホイル焼きはすごい

鮭のホイル焼きはすごい。

まず美味しいのがすごい。鮭の旨味とバターの風味、後は適当に突っ込んだ食材の旨味をホイルで閉じ込めたままじっくりと蒸す。鮭に親を殺されたとかUR級のレアイベントに遭遇していない限り、食えば確実に美味しい以外の感想が出てこない料理だ。次にすごいのは鮭のホイル焼きはレシピさえ分かれば誰でもできることだ。大抵の料理とそのレシピはその通りに作っても、(大体は火加減だが)加減を間違えれば美味しくはならない。その点鮭のホイル焼きはすごい。間違えようがない。鮭と適当な具材とバターをホイルで包んで、蒸せば完成。そして美味しい。最後にすごいのはちゃんとやってる感があることである。誰が作っても美味しい物は世の中に山ほどある。カップラーメンとかレトルト食品とか。しかしそれは違う。限界独身暮らしをしていると良く人から「自炊してる?」等と聞かれるがその時に鮭のホイル焼きとか作ると言うと大体は感心されるが、実際はそんなに驚く程のことではない。ただ鮭と食材とバターをホイルに包んで、蒸すだけである。何にも凄いことではない。しかしカップラーメンに比べて遥かにちゃんとやっている感が凄い。洗い物?うるせぇ。

鮭のホイル焼きについてすごい点を3つ挙げたが一番すごいと思うのは「誰が作っても美味しい」という点である。統一されたマニュアルから誰がやっても一定以上のクオリティが保たれた物が作れるというのは本当にすごい。その中でマニュアル自体のクオリティをより向上できる人はいると思うが、そんなのはごく一部の優れた人間だけである。自分のような平凡かあるいはそれ以下の人間にとっては鮭のホイル焼きのような誰でも作れて、かつ美味しい料理を作れる事には本当に救われている。

そう、自分はどこにでもいる人間なのである。

平凡を名乗る主人公がある日突然、世界を揺るがすような大きな出来事に巻き込まれて、その中で何かを成し遂げるという物語は古今東西枚挙に暇がない。自分もいつかそんな物語の主人公になれると信じていた。しかし現実は甘くなかった。自分はこの世界の主人公ではない。主人公に町の名前を教えたり、次の目的地を教えてくれる村人Aよりも何も成せない人間だと気付くのはそんなに遅くはなかった。しかし同時に世の中はそんな人ばかりだと気付けたのも自分にとっては幸運であり、だから自分はまだ頑張っても良いのだと思った。一部の優れている人が与えてくれるマニュアルを享受するだけの奴でも良いじゃないか。鮭のホイル焼きの作り方?デッキレシピ?サイドボードガイド?強ムーブ?どんどん真似していこうぜ。だから1落ち前に覚醒吐いてくれボタン3つ押すだけやろ頼むからなぁあぁ無理そうあっ押した!やった押せたはい勝ち!俺の勝ち!覚醒落ち?気にすんな気にすんな!LOSE画面出た?何言ってんだお前がボタン3つ押せた時点で俺たちの勝ち!オーイエーヘイアハン

今回はここまで